千葉からやってきたファンの男性、蝦名匠さん(25)はラストライブ当日、飛行機でやってきた。

「安室が1年前に引退すると発表してすぐ、ホテルと飛行機チケットを予約しました。だけど、ライブの入場チケットが手に入らなかったんです」

現地で意気投合した安室ファンたち(撮影・上田耕司)
現地で意気投合した安室ファンたち(撮影・上田耕司)

 沖縄に来てから知り合った沖縄在住の熱田美和さん(24)と佐賀県からやって来た森永恵さん(39)と3人で、グッズを見せてくれた。

「きのう(9月14日)、居酒屋で知り合ったんです。安室ちゃんで意気投
合しちゃった」(森永さん)

 同じく千葉からはやってきた31歳の主婦は1歳の子供を抱いていた。山形から合流したという母親(60)の姿も。

「最後になるので、1歳の子供にも安室ちゃんのラストライブを見せてあげたくて」(31歳の主婦)
「午前5時に山形を新幹線で出発し、東京で娘と合流して、成田から飛行機で来ました。私はダンスのインストラクターをしています。これまでダンスを続けられたのも、安室ちゃんからエネルギーをもらえたから」(母親)

 大阪からやって来たのは、彩奈さん(21)と絢子さん(22)の2人組。

「きのう(14日)、飛行機で来ました。チケットはファンクラブでの募集と一般募集と合計4回はずしました。安室ちゃんのグッズの1枚2000円のタオルを2人で4枚買いました。きょうの私たちの洋服は安室ちゃんが前回(昨年9月)の沖縄ライブで着ていたものです」

 ライブ会場では「明日の花火大会のチケットを譲ってくれない」という人達の声もあった。コンサートが終わると、バス停前には長蛇の列。タクシーもつかまらず、大混乱に…。

帰りのバスを待つ人たちで長蛇の列(撮影・上田耕司)
帰りのバスを待つ人たちで長蛇の列(撮影・上田耕司)

「引退を知ってから、もうさんざん泣いたし、自分の中で消化はできてはいるけど、やっぱり寂しいね」

 安室奈美恵のラストライブが終わった後、帰り道で女性がつぶやいていた。(本誌 上田耕司)
※週刊朝日オンライン限定

著者プロフィールを見る
上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

上田耕司の記事一覧はこちら