教科書などを学校に置いて帰る“置き勉”。自宅で勉強しなくなるなどの理由で多くの学校で禁止されてきたが、とうとう解禁された。文部科学省が9月6日、事実上解禁する通知を出したのだ。
【写真】こんなにも違いが!現行の教科書と40年前の教科書の比較
背景には子どもの荷物が重くなっていることがある。ランドセルメーカーのセイバンの調査によると、小学生の荷物の重さはランドセルを含め平均6キロほど。10キロ以上になるケースもあったという。ランドセルを背負って痛みを感じたという小学生は3割にも上った。
重くなる理由の一つとして教科書の大型化があると言われる。いったいどのくらい大きくなったのか。文科省や教科書会社は詳しく公表していない。ならば、記者が実際に計測してみた。
訪れたのは、主に戦後から現在までの日本の検定教科書を収蔵する「教科書図書館」(東京都江東区)。
教科書大手「東京書籍」の小学校3年生の主要4教科(国語、算数、理科、社会)について、現行のものと40年前のものとを比べてみた。
現行の教科書をめくってみると、写真やイラストなどが多く使われており、説明が充実している。ほとんどがカラーページで、紙も質がよくなっていた。
教科書自体も大きくなっている。40年前の教科書はA5判(148×210)でコンパクトだったが、現行は国語と数学がB5判(182×257)で、理科と社会がAB版(210×257)だった。
ページ数は40年前が4教科合計で736ページなのに対し、現行は939ページで1.3倍に増えた。
最も注目される重さは、40年前が約990グラム、現行は1790グラムで1.8倍も増えていた。
教科書図書館を運営する教科書研究センターの細野次郎・特別研究員は、変化についてこう説明する。
「学習内容が増えていることに加え、教科書の役割が変わってきたこともあります。教師が教えるための教材というだけではなく、自学自習しやすい学習材として、自分だけで学びやすいようなものになってきています」