放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回はメイク室でよく見かける「ビオデルマ サンシビオ ダーマローション D」。
* * *
テレビ局のメイク室に置いてある化粧品には定番商品と、そうではないモノがあり、概してメイク用品は前者で基礎化粧品は後者であるように思う。
特に、誰でも必ず使う化粧水には細心の注意がはらわれていることはいつも書いている通り。
敏感肌のタレントや、睡眠不足や疲れ、季節の変わり目などで肌荒れを起こしているタレントに、できるだけ刺激の少ないモノで整肌してあげるのがメイクさんの務めだからだ。
とはいえ、自腹購入も少なくない局メイクさんらにとって、”コスパ”は大切。
メイク室に置いてある化粧品がクチコミでどんどん広まる理由は、それらが、目利きな彼女たちのお眼鏡にかなった高品質であり、加えて良心的な価格のモノだからである。
そんなメイク室で、最近よく見かけるのが「ビオデルマ サンシビオ ダーマローション D」だ。各局のメイク室の鏡の前に必ず置いてあると言っても過言ではない。急に幅を利かせるようになったモノと言っていいだろう。
濃い目のピンク色をしたキャップで、丸みを帯びた安定感のあるボトルの表面にはアルファベットだらけ。多くのタレントが手に取り、「これ、なに?」「どこの?」とメイクさんに聞いてくるという。
「ビオデルマ」は、1970年代、フランスで誕生したスキンケアブランドで、本国ではファーマシー(薬局)でドクターの処方によって販売されていたとか。生物学と皮膚科学に基づいた「生物模倣」をコンセプトに、肌本来の力を呼び覚ますため、素肌を全面的に尊重しているという。
「メイク崩れしにくい」とも評判で、パリコレを始めとする現場でプロたちが使う化粧水としても有名。
日本でも、著名なメイクアップアーティストが「ビオデルマ」の愛用者だそうだ。
「サンシビオ ダーマローション D」は、敏感肌の水分バランスを整え、健やかなハリのある状態をキープしながら、乾燥も防いでくれるのに、サッパリしている。この時期には特に嬉しいテクスチャーだ。
ドクター専売品も気になるところだが、メイク室に置いてあるモノは、「PLAZA」(旧・ソニープラザ)を始め、ドラッグストアで手に入る。また「ビオデルマ」の名前を世界に広めた「サンシビオ エイチツーオー D」なるクレンジングは「世界中で2秒に1本売れている」とか。
各局のメイクさんたちが一斉に飛びついた「ビオデルマ」。この夏、セットで使いたい流行りモノだ。
※週刊朝日 2018年9月7日号