浅部伸一(あさべ・しんいち)さん/自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科 肝臓専門医。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院勤務等を経て、2010年から現職。監修書に『酒好き医師が教える 最高の飲み方』(日経BP社)
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アルコールを肝臓で処理するのにかかる時間(週刊朝日 2018年8月31日号より)
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林幸子(はやし・ゆきこ)さん/料理研究家。東京・表参道の料理教室「アトリエ・グー」主宰。NHK「ガッテン!」等のテレビ番組や雑誌、書籍で活躍中。最新刊『料理研究家がうちでやっているラクして楽しむ台所術』(サンマーク出版)が人気
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 連日の猛暑で、仕事終わりについつい「ビール!」「冷酒!」「キリッと冷えた白ワイン!」と景気よく飲みすぎていませんか? つらい二日酔いを回避する「カラダにいい飲み方」と、酔い覚ましドリンク&翌朝用のスッキリスープの作り方を紹介します。

【アルコールを肝臓で処理するのにかかる時間を計算してみよう!】

*  *  *

 ああ暑い、暑い! 連日のこの猛暑。ついついビールや冷たいお酒を飲みすぎ、二日酔いになったという人も多いのではないだろうか。

 そもそも二日酔いとは、お酒を飲んだ翌日になっても体内にアルコールやアルコール代謝物が残っているために起こる体調不良だ。症状は頭痛や吐き気など、人によってさまざま。

「二日酔いにならないためには、肝臓での処理能力を超えるアルコールを飲まないようにすることです」とアドバイスしてくれたのは、自治医科大学附属さいたま医療センターの肝臓専門医・浅部伸一さんだ。下の数式に数字をあてはめれば、アルコールを肝臓で処理するのにどのくらいの時間がかかるか計算できる。

 自分がよく飲むものから純アルコール量を計算し、アルコール処理にかかる時間を頭に入れておこう。

「厚生労働省が推奨する『適量』は1日に摂取するエタノール20グラム以下ですから、ビール500ミリリットルというのは、1日の飲酒量としてはほぼ適量ということになります」

 下の数式からもわかるように、ビール500ミリリットルは肝臓で処理するのには4時間かかる。夕飯のときに飲んで、夜寝るまでには処理。これは確かに「体の負担を軽減してくれる飲み方」と言えそうだ。これ以上の容量を飲んだり、あるいはもっとアルコール度数の高いものを飲むのであれば、アルコール処理にかかる時間が翌日の仕事スタートの時間にかぶらないかどうか、ちょっと気に留めておくことが大切だ。

「そして悪酔い防止には飲酒前に水分をとっておくことも大事です。空腹の状態で飲酒すると、お酒は短時間で胃から小腸へと流れて吸収されます。すると血中アルコール濃度が急速に上がりやすく、悪酔いしやすくなります。吸収を穏やかにするためには、胃の中にとどまり、すぐには小腸に流れにくいおつまみを早めに食べることも大切です」

 具体的には何を食べておけばいいのだろうか。

「おすすめはやはりチーズです。チーズに多く含まれるたんぱく質と脂質は消化吸収されにくく胃に長時間とどまるのでアルコールの吸収をゆるやかにしてくれます。鶏のから揚げ等も悪くはないと思いますが、カロリーには注意が必要です」

 加齢と共に肝臓のアルコール分解機能は落ちてくる。若いころと同じ量を飲んでいても、二日酔いの影響がより強く出てくる可能性があるので、気を付けたい。

「また飲酒後は脱水状態になりやすいということを覚えておいてください。お酒を飲んだ後は十分に水分を摂取するよう心がけましょう。年を取ると身体の水分量は減りますし、喉の渇きも感じにくくなります。血管ももろくなってきていますから、飲酒後にたっぷり水分をとらないと夜間に脱水になり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めてしまいますよ」

 そこで、栄養士の資格も持つ料理研究家の林幸子さんに飲酒後の水分補給と酔い覚ましにいいドリンクの作り方を教えてもらった。

「私の一番のおすすめは、梅干しとりんご酢とオレンジジュースで作る『トリプルサワードリンク』です。りんご酢とオレンジジュースはアルコール分解を促してくれるビタミンCの補給にいいですし、梅干しはお酒を飲んで大量発汗した体の塩分補給に。梅干しに含まれるクエン酸は疲労回復にもいいですよ」

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