レバーと牛乳を使った料理(1)チンジャオロース風 (撮影/山内リカ)
レバーと牛乳を使った料理(1)チンジャオロース風 (撮影/山内リカ)
レバーと牛乳を使った料理(2)ゆでたレバーの香味野菜あえ (撮影/山内リカ)
レバーと牛乳を使った料理(2)ゆでたレバーの香味野菜あえ (撮影/山内リカ)
レバーと牛乳を使った料理(3)牛乳スープ(撮影/山内リカ)
レバーと牛乳を使った料理(3)牛乳スープ(撮影/山内リカ)
レバーと牛乳を使った簡単メニュー(週刊朝日 2018年8月10日号より)
レバーと牛乳を使った簡単メニュー(週刊朝日 2018年8月10日号より)

 昔は飲んでいたけれど、太ったり、おなかが緩くなったりするからちょっと……と敬遠されがちな「牛乳」と、下処理が面倒でクセがあることから、そもそも普段の食卓に上りにくい「レバー」。なんとこの二つの食材こそ、シニアの“血管力”を高める最強食材なのだ。

【レバーと牛乳を使った料理 写真と簡単な作り方はこちら】

 まずはレバーから。「血管力を高める」最強食材かどうかは、その栄養成分を見れば一目瞭然だ。ビタミンA、B群、鉄、亜鉛、銅などの含有量は、食品のなかでトップクラス。一方で、脂質やエネルギーは低い。『栄養素の通になる』などの著書がある女子栄養大学教授の上西一弘さんは、なかでも“鉄”と“ビタミンA”の多さに注目する。

 鉄は血液中のヘモグロビンの材料で、肺から取り込んだ酸素を全身の細胞に送り届けている。また、血液中の酸素を筋肉などに取り込む役目も担っている。鉄不足による貧血というと、若い女性に多いというイメージがある。だが、シニアもその年代ほどではないものの、鉄不足に注意しなければならないという。

「鉄は小松菜などにも含まれますが、同じ量で比べるとレバーの半分以下です。しかも、レバーなど動物性食品の鉄は“ヘム鉄”で、野菜などに含まれる植物性食品の鉄よりも吸収率が高いといわれています」(上西さん)

 また、レバーに含まれるビタミンAは、血管や皮膚の粘膜の上皮をつくるのに欠かせない。余談だが、目の健康にも不可欠で、疲れ目や夕方になって見えにくくなったときにとるとよいという。

 なお、レバーに含まれるビタミンAはレチノールといい、妊婦が過剰にとると胎児の発育に問題が生じることがあるため、気を付けなければならないが、シニアなら問題ないそうだ。

 さらに夏バテや、加齢によって痩せ細って心身の機能が低下するフレイルの予防にも、レバーが最適。一つの食品でたんぱく質とビタミンB6、B12、亜鉛が一緒にとれるからだ。

「筋肉をつけるには、たんぱく質をとるだけではダメ。たんぱく質の代謝や合成を助けるビタミンB群や亜鉛が必要なのです」(同)

 臨床栄養実践協会理事長の足立香代子さんも、シニアには“レバー推し”だ。

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