333人に告発された山根会長 (c)朝日新聞社
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村田涼太選手も「そろそろ潔く辞めましょう」と三下り半(撮影/大塚淳史)
村田涼太選手も「そろそろ潔く辞めましょう」と三下り半(撮影/大塚淳史)

 2016年のリオデジャネイロ五輪にボクシング男子の日本代表で出場した成松大介選手(28)が日本スポーツ振興センター(JSC)から受け取った助成金240万円が、日本ボクシング連盟からの指示で別の2選手に80万円ずつ渡されていたことが明らかになった。

【写真】「そろそろ潔く辞めましょう」とSNSで発信したのはこの人

 成松選手だけが助成金の対象で不正流用の可能性があり、JSCは今後、調査に乗り出す見込みだ。

 今回の不正流用は、アマチュアボクシングの有志が結成した「日本ボクシングを再興する会」の告発で明らかになった。

 7月27日付けで「告発状」を日本オリンピック委員会や文部科学省に送付。

 告発人には333人が名前を連ね、日本ボクシング連盟のさまざまな不正やガバナンスの欠如を訴えている。そしてホームページで日本ボクシング連盟の山根明会長(78)に対し、「退会要求書」を募り、辞任を求めるという。

 告発状に名前を連ねた1人、アマチュアボクシング関係者のAさんは内幕をこう明かす。

「ついに来る時がきたという感じだ。山根氏の連盟の私物化、横暴は目にあまる。もう黙ってられません」

「告発状」には、明らかに助成金の不正流用だけではなく、山根氏の数々の「不正」が記されている。

■ボクシングの公式グローブの1社独占販売、代金の入金口座は、山根氏の孫娘の個人口座
■山根氏がボクシングの大会などで、遠征する際はホテルのスィートルームに専用の麻雀部屋
■日本ボクシング連盟の不適切な会計問題など、13項目にわたっている。

 その中でも、Aさんが行動に移した大きな理由が、公式試合の不適切な判定、審判の不正だというのだ。

 アマチュアボクシングは1ラウンド3分、3ラウンド制で、試合は判定になることが大半だ。そこに不正があるというのだ。

「わかりやすくいうと、山根氏が勝たせたい、お気に入りの選手がいるとする。その試合には山根氏の息がかかった、審判が加わり、どんな内容であろうとも山根氏のお気に入り選手が勝つことが決まっているのです。とりわけ、山根氏自身が奈良県の出身でその息子が、奈良県のアマチュアボクシング連盟の役員だったこともあり、奈良県の選手が出ると、絶対に負けないような審判の構成になる。これを『奈良判定』と呼んでいます」(Aさん)

 とりわけ有名なのが、2016年岩手国体で、岩手県の選手と奈良県の選手が1回戦で対戦。岩手県の選手が第3ラウンド、2度もダウンを奪い、勝利したかと誰もが思ったが、判定で敗れたという。Aさんはこう振り返る。

「あの時、審判も当然、岩手県の選手が勝ったと思って一度、そちらの手を上げかけた。それが奈良県の選手が勝ったとなり、会場は騒然とした雰囲気に包まれました」

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勝たせなかった審判を恫喝