初のラジオ番組に挑戦する作家の村上春樹さん(エフエム東京提供)
初のラジオ番組に挑戦する作家の村上春樹さん(エフエム東京提供)
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東京・荻窪にあるブックカフェ「6次元」には世界中から村上春樹ファンが集う。8月5日のラジオ放送当日には、パブリックリスニングのイベントがある
東京・荻窪にあるブックカフェ「6次元」には世界中から村上春樹ファンが集う。8月5日のラジオ放送当日には、パブリックリスニングのイベントがある

 世界中のハルキストが待望するイベントが近づいてきた。作家・村上春樹さん(69)にとって初めてのラジオ番組「村上RADIO(レディオ)~RUN&SONGS~」が、8月5日に全国のJFN系列で放送される。

【写真】東京・荻窪にあるブックカフェ「6次元」

 TOKYOFMが6月5日に番組について公表したところ、アジアなど海外でも報道され関心が高まった。村上さんはこれまでテレビやラジオ番組への出演は避けてきたとされる。それだけにファンにとっては、「生の声」が聞けるまたとないチャンスだ。

 ツイッター上では「OMG!(Oh My Godの略)」と喜ぶ海外の外国人ファンもいる。番組ホームページで村上さんへの質問を募集したところ、日本語でしか受け付けていないのに、外国人ファンからの投稿もあったという。

 放送は日本国内のみで、「海外でも何とか聞けないのか」という声もあった。「村上さんがいかに世界中で愛されているのかわかりました」(TOKYOFMの担当者)

 毎年ノーベル文学賞の候補にあがる作家とはいえ、世界中にファンが広がっていることに驚かされるが、村上春樹の研究者からすれば当然の反応だという。

 東京・荻窪にあるブックカフェ「6次元」の店主・ナカムラクニオさんは、ファンでもあり研究者でもある。7月には「村上春樹語辞典」(誠文堂新光社)を出版した。店内には村上作品が所狭しと並んでいる。

「世界中から連日、店に集まってきます。昨年はあまりにファンが来すぎて、観光地になりすぎていたので、看板を隠して店の電話もなくしました(笑)。世界中のファンの熱狂ぶりはすごいですよ。日本人が思っている以上に海外で人気があることを体感しています」

 村上作品を巡っては、最近思わぬニュースも話題になっている。香港で小説「騎士団長殺し」が、「表現がわいせつ」という理由で18歳未満への販売が禁止とされたのだ。

 ナカムラさんによれば、これも村上作品ではよくあることだという。

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