伸び率2位は半蔵門線などが通る永田町で、9.3%増。駅直結の複合施設「東京ガーデンテラス紀尾井町」が16年に開業し、ホテルや商業施設がにぎわう。旧赤坂プリンスホテル跡地を西武グループが再開発し、東京の新名所に生まれ変わった。6.7%増で4位の銀座線の京橋も、駅直結の施設「京橋エドグラン」が16年に開業した。

 一方で、減少率が最も大きかったのは、有楽町線の桜田門で5.6%減。次いで、東西線の竹橋2.0%減、銀座線の虎ノ門0.9%減と続く。竹橋は大手商社丸紅の本社ビルが近くにあったが、現在建て替え中。虎ノ門も近辺で大型ビルの建設が進み、乗客減少も再開発の影響が色濃い。

 東京メトロは、ほかの鉄道との直通連絡駅や共用駅は別途、乗降客を集計している。最も多い直通・共用駅は渋谷で、前年比2.4%増の82万9千人。千代田線の綾瀬(1.0%増、45万1千人)、日比谷線の北千住(2.0%増、29万9千人)と続く。

 再開発の伸展、堅調な雇用、訪日外国人増の三つの好条件が重なり、東京メトロを運営する東京地下鉄の業績は好調だ。18年3月期の売上高は前年比2.5%増の4258億円、営業利益は同3.8%減の971億円だった。東京一極集中の追い風が続いている。(本誌・中川透)

※週刊朝日オンライン限定記事

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