アイドル性というのは、言うならば絶倫性みたいなものだと思います。やはりそこに『性的な魅力や魔力』を感じられるからこそアイドルは生まれるわけで、私は今回の件に関して「普段の山口さんのイメージからは想像できない」なんて寝ぼけたことは言いません。敢えて感想を述べるなら、「やはり山口達也は本物だった」です。一方で「(アイドルとして)本物過ぎてしまうのは、かえって哀しさをもたらすだけなのかも」とも思いました。やはりアイドルには、どこかしらの時点で『幻滅』するなり、『卒業』させてもらわないと、お互い身が持たないことを改めて痛感しました。でないと、多かれ少なかれこのようなリアルな現実に直面しなければならなくなる。永遠に夢を見させて、夢を見るなんて、いつか無理が生じる時が来るのです。
『同窓会』の最後、山口さん演じる『嵐』は、男との純愛を貫いた直後に不慮の死を遂げます。そこで伝説と化した『嵐』ですが、実は46歳になった今も生きていた。そして『嵐』はあのままの『嵐』だった……。いつまでも夢見ているのは、他でもない私かもしれません。
※週刊朝日 2018年5月18日号