帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
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死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く(※写真はイメージ)
死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く(※写真はイメージ)

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。連載初回のテーマは「目指すは健康長寿の人生」。

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【ポイント】
(1) がんになっても健康寿命をまっとうできる
(2) がんの脅威を上回るのが認知症の脅威
(3) 認知症はホリスティック医学の一大テーマ

健康寿命という言葉があります。健康上の理由で日常生活が妨げられないで生きていける期間のことを言います。日常生活ができればいいのですから、何らかの病気をもっていてもかまいません。一病息災、大いに結構なのです。

 私のことを言えば、痛風と高血圧症という持病があります。しかし、尿酸生成阻害剤と降圧剤を毎日、飲むことで、アルコールも塩分も自由に取ることができていて、日常生活に不便を感じません。つまり、82歳になりましたが、健康寿命をひた走っていることになります。

 がんという病気にしても、最近、がん治療からの生存者、がんサバイバーがわが国のがん患者の60%を超えたといいます。つまり、がんになっても健康寿命をまっとうしている人が増えているのです。がん医療一筋に半世紀やってきた私としては、なんとも喜ばしく感じます。

 一方、それとは別に新たな脅威となってきているのが認知症です。認知症になると、ひとりでの日常生活が難しくなっていくわけですから、健康寿命の破綻(はたん)を引き起こすことになります。

 認知症への恐れが、人々の間に広がりつつある現状をみると、認知症の脅威ががんのそれを超えることは、もはや、時間の問題だと思われます。

 貝原益軒は養生訓のなかで「人生の幸せは後半にあり」と説きました。いやぁ、じつに感慨深い言葉です。私自身、60代の声を聞いてから、この感慨を実感しました。このころから、人生がより一層、楽しくなってきたのです。それは、80歳を超えたいまも変わりません。これからもこれを貫いていきたい。

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