この3佐は2005年に防衛大学校を卒業し、航空自衛隊を経て、現在は統合幕僚監部指揮通信システム部に所属する幹部自衛官だ。
よりによって、南スーダンPKOの日報隠蔽問題が取り沙汰されているさなかの“不祥事”だった。
小野寺五典防衛相は「小西議員に不快な思いをさせたのであれば申し訳ない」と語る一方で、「若い隊員なので様々な思いもある」と擁護するかのような発言もした。
4月19日の河野統合幕僚長の会見では、3佐が小西議員に「国民の敵だ」など何を具体的に言ったのかという質問が集中した。だが、河野氏は「調査を慎重に進めているので、コメントは控えたい」などと明言を避け続けた。
報道陣から「文民統制違反ではないか?」と指摘されると、幕僚長は平身低頭、こう釈明した。
「今回の(3佐の)行為を2.26事件や5.15事件と比較される報道もあります。そのような批判は厳粛に受け止めなければならないと思っています。しかし、いまは戦前とちがって、このような事態を自衛隊として絶対に許しませんので安心して頂きたい」
物騒な軍国主義時代が再び、到来することはない、という防衛省の主張はどこまで信用できるのか。
「防衛省・自衛隊と旧民主党は、ギクシャクしてきた。民主党政権当時、鳩山由紀夫首相が日米首脳会談でオバマ大統領に普天間飛行場移設問題について『私を信頼してほしい』と伝えたことに対し、1等陸佐が公然と首相発言を批判。北澤俊美防衛相が注意処分にしたことがあった。この1佐は、水陸軌道団が新設された相浦駐屯地に西部方面混成団長として就任するなど栄転。注意処分はその後の経歴にまったく影響していない」(軍事ジャーナリスト)
国会議員を面罵する隊員もいれば、面従腹背もまたお家芸か。(本誌・亀井洋志)
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