トランプ氏の頭は、秋の中間選挙で占められている。米朝首脳会談はブッシュやオバマもダメだった。俺は武力行使をやると宣言し、北朝鮮に徹底的に圧力をかけ続けた。だから金正恩は屈服して首脳会談を申し出て、核兵器を廃棄するとまで言いだしたのだ。俺は勝ったのだ。トランプ氏は内外でそう強調している。
さらに、経済的マイナスをできるかぎり削減したいと考え、中国に対して6兆円に及ぶ制裁関税を課すことにしたのである。そして世界各国からのアルミニウムや鉄鋼製品に多額の関税を課すと発表した。
これに対して、当初日本政府は楽観視していた。日本は何事につけてもアメリカに協調的で、また安倍首相とトランプ氏は親密な関係なので、日本は除外してくれるだろう、と捉えていたのだ。
ところが、トランプ氏は、“安倍首相らは、こんなに長い間、米国をうまくだませたなんて信じられない”とほくそ笑んでいる、そんな日々はもう終わりだ、と言い放って、いわば日本を見捨てたのである。
これは日本政府の幹部たちにとって、大衝撃であった。日本はどうすべきなのか。何ができるのか。
4月17、18日に、安倍首相は米・フロリダ州でトランプ氏と会談することになっている。安倍首相は何を主張し、どんな譲歩を引き出せるのか。トランプ氏に強硬論で押し切られたら、3選の可能性は消えることになる。
※週刊朝日 2018年4月20日号