「クソ野郎と美しき世界」の初日挨拶を行った3人の主役たち。右から草なぎ剛、稲垣吾郎、香取慎吾=4月6日、東京都世田谷区の「109シネマズ二子玉川」(撮影/大野洋介)
「クソ野郎と美しき世界」の初日挨拶を行った3人の主役たち。右から草なぎ剛、稲垣吾郎、香取慎吾=4月6日、東京都世田谷区の「109シネマズ二子玉川」(撮影/大野洋介)
挨拶では太田光監督のトークで盛り上がった=4月6日、東京都世田谷区の「109シネマズ二子玉川」(撮影/大野洋介)
挨拶では太田光監督のトークで盛り上がった=4月6日、東京都世田谷区の「109シネマズ二子玉川」(撮影/大野洋介)
「クソ野郎と美しき世界」の完成披露初日挨拶の集合写真=4月6日、東京都世田谷区の「109シネマズ二子玉川」(撮影/大野洋介)
「クソ野郎と美しき世界」の完成披露初日挨拶の集合写真=4月6日、東京都世田谷区の「109シネマズ二子玉川」(撮影/大野洋介)

 2016年の年末に解散した国民的アイドルグループ・SMAP。解散から1年が過ぎ、それぞれが、連ドラに司会にと活躍するなか、ジャニーズ事務所から独立したメンバー・稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛の主演映画「クソ野郎と美しき世界」が4月6日、20日までの2週間限定で全国公開された。

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 全国83館に生中継された、東京都内で開かれた完成披露初日舞台挨拶で、「記念すべき僕らのメモリアル作品を見ていただけて、幸せ」(稲垣)、「みんなの才能がスパークしてる。この映画に参加できて本当に幸せ」(香取)、「これだけ個性豊かなのに、まとまりもある作品、あふれんばかりの気持ちが伝わるといい」(草なぎ)と、晴れ晴れとした表情で語った3人。

 待望の新作映画は監督もストーリーも別々のオムニバス形式。

 稲垣吾郎主演の「ピアニストを撃つな!」は、満島ひかりをブレークさせた映画「愛のむきだし」で注目され、「役者の潜在能力を引き出す監督」として知られる園子温がメガホンをとった。前々から「園監督の世界が大好きだった」という稲垣が、追いつめられるピアニスト役。官能的な園ワールドに意外にもすんなり溶け込んでいた。

 香取慎吾主演の「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」は、岸田國士戯曲賞を授賞した山内ケンジが監督をつとめ、「歌を食べないと死んでしまう」少女と、香取演じる歌えなくなったアーティストの不思議な交流を描く。

 解散報道が出てしばらく、「絵描きになるので引退」などとうわさされていたときの香取を思わせる場面もあって、ファンならずとも胸のしめつけられる内容だ。

 草なぎ剛の「光へ、航る」は、お笑い芸人・爆笑問題の太田光が監督。子どもを失い、詐欺を働く悲しい夫婦を、尾野真千子と共にリアルに繊細に演じ、「SMAPイチの憑依系俳優」と呼ばれた底力を見せつけた。

 3作品の後には、3人が歌って踊るショー「新しい詩」も上映される。月曜夜にフジテレビ系列で放映されていた「SMAP×SMAP」の名物だった歌のコーナー「SLive」をほうふつとさせ、40歳を過ぎても、まだまだ現役アイドルらしい3人を堪能できる。

 新事務所の名前を「新しい地図」と名付けた3人。白い地図がどんな色に塗られていくのか、注目だ。(本誌・工藤早春)

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