それにしても、佐川氏自身に虚偽答弁する必然性などはなく、政府筋からの強い圧力があった、ととらえざるを得ない。
私は森友学園の籠池泰典・前理事長が逮捕される前、あるテレビ局に頼まれ籠池氏にインタビューした。
「あなたは2015年10月に、安倍昭恵夫人に電話をしましたね。昭恵夫人は海外出張中でしたが、何を頼みたかったのですか」
籠池氏は工事の立て替え金を早く返済してほしいのと、売却価格を安くしてほしい、の2点だと答えた。
その後、昭恵夫人付の女性官僚から連絡があり、昭恵夫人に頼んだことを詳しく知らせてほしいと言ってきたので、手紙に詳しく書いて郵送した。しばらく経つと、頼まれたことをいろいろやったが、うまくいかなかったというファクスが届いた。だが、その後、今年度は無理だが来年度にまたやってみるというファクスが届いたということだ。
そこで、翌年はどうだったか、と問うと、籠池氏は「満額回答だ」と答えた。籠池氏は、昭恵夫人の大変なご尽力で、立て替え金も返済され、売却金も8億円引き下げられた。心から感謝したい、と答えたが、この部分は放送されなかった。
籠池夫妻は、現在もなお勾留され続けている。釈放すると、籠池氏が昭恵夫人に、どのような頼み方をし、昭恵夫人がどのような尽力をしたのか、具体的にしゃべられるのが怖いのだろう。
※週刊朝日 2018年3月30日号