今や、世界的にも注目のグループ。「2017 Billboard Music Award」で、ソーシャルメディアで最も影響力があったアーティストに贈られる「トップ・ソーシャル・アーティスト賞」に輝いた。同賞はそれまで、ジャスティン・ビーバーが6年連続で受賞していた。さらに、映画サイト「TC Candler」が発表する「世界で最もハンサムな顔100人」の2017年の1位は、メンバーのV。ミュージックステーション(テレビ朝日系)の年末特番に出演すると、「あのイケメンは誰?」とツイッターなどSNSで話題になった。

 こうした活躍について「BTSはまさに、SNS時代の申し子」と韓国大衆文化ジャーナリストの古家正亨さんは話す。

 ただ、彼らの魅力はルックスやネットの映像から伝わるパフォーマンスのクオリティーの高さだけではない。

「ファンをすごく大事にしているところ。一生懸命さに心を打たれて応援したくなる」(50代女性)

 例えば日本語。1年数カ月ほど前に取材した記者によると、通訳なしでインタビューが可能だったのは1人だけだったが、この日は流暢とはいえないまでも、全員が日本語でやりとり。Vは「スケジュールの合間に、単語を覚える。日本のアニメとか映画を見ます」と明かした。RMは、最近覚えた日本語を聞かれると自分の頬っぺたを指さしながら、「いま覚えました。えくぼです」と笑顔を見せた。

 さらに、「せっかくだし、近くにいっちゃおうかな」(J-HOPE)とステージから降りて、観客席を1周した。ハイライトは最後。舞台のそでにはける瞬間、JIMINが振り向いてファンに向かってつぶやいた。

「(みんな)かわいい」

 2万人を悶絶させた瞬間だった。

(本誌・鎌田倫子)

週刊朝日 2018年1月19日号