現在の住まいで温度差を感じるようなら、ヒートショック予防のためにも室内の温度差を減らしたい。
伊香賀教授は、寒い部屋にいる人と暖かい部屋にいる人では脳年齢に差が出るとも指摘する。寒い部屋に比べて、3度暖かい部屋にいる人は脳年齢が6歳若いという。また、断熱改修によって高血圧が改善するというデータもある。
ここまで華麗なる“変身”に触発され、「わが家も」と思い立った人もいるだろう。ただ、予算も気になるところでは。そこで計画前にチェックしたいのが、お得な減税・補助金制度だ。
実は、断熱改修は省エネリフォームで減税措置を受けるために必要な要件の一つだ。窓の改修工事と併せて、床、天井、壁に断熱工事を施し、室温を確保する。寒さを和らげることで暖房費の節約にもなる。
リフォームには省エネのほか、「耐震」「バリアフリー」「長期優良住宅化」などがあり、それぞれに減税制度がある。たとえば耐震の投資型減税であれば、現行の耐震基準に見合った改修工事で所得税の控除を受けることができる。控除対象額の上限250万円の10%が控除額となり、最大25万円が浮く計算だ。
リフォーム内容に限らず、ローンを組んだ場合の減税などもあり、計画に合った減税制度を選ぶことが肝だ。(本誌・秦正理、前田伸也)
※週刊朝日 2017年12月15日号