銀行口座を凍結すれば、引き出されずに済む可能性がある。場合によっては、お金が補償されるケースもある。ネットでの詐欺で、クレジットカードの番号を入力しても、カード会社に早めに連絡すれば引き落としを止めてもらうこともできる。

 携帯で話しながらATMを操作していたり、多額の電子マネーを購入したりする人がいれば、「どうしたんですか」と声をかけてあげたい。前出の堺さんは地域全体の取り組みも大切だという。

「家族や地域の人が高齢者らに、普段からできるだけコミュニケーションを取ることが詐欺から守る。例えば隣の家に見慣れない若い人が来ているなと思ったら一声かける。『偉大なるおせっかい』が大切です」

 あなたも、家族も、いつかだまされる可能性がある。ひとごとだと思わずに、いまから対策を取っていこう。(本誌・大塚淳史、多田敏男)

【だまされないための主な対策】
(1)電話に出ない
 常に留守番電話に設定。知らない番号や非通知の電話は取らない。被害に遭えば電話番号の変更も

(2)電話でのお金やカードの要求は詐欺
 公務員や金融機関職員が電話でお金やカードを求めることはない。役所や金融機関の代表電話にかけて確認を

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