さらに、カラコンに特に多いのが酸素不足による角膜内皮障害だ。
「角膜は常に酸素を必要としますが、カラコンは酸素透過性の低いものがあまりに多い。特に黒目を大きく見せるタイプの海外製のカラコンは、角膜にがっちりと密着して酸素不足の状態を作り出すものが少なくありません」(同)
酸素透過性の低いカラコンによって、酸素不足の状態が続くと、角膜にむくみが出現し、目のかすみを自覚し始める。さらに進行すると角膜表面を構成する細胞が剥がれやすくなり、強い痛みが出現する。
現在、国内で売られているカラコンは350種類を超えるが、その多くが韓国や台湾などのアジア製。ワンデーなら1箱10枚入り、2週間用なら1箱4枚入りで千~2千円程度と、安価で手軽に手に入る一方、酸素透過性の低い素材を使用した〝粗悪品〟が横行しているのだ。
こうした粗悪品は、カラコンの要となる着色構造にも問題があるという。現在国内で認可されているカラコンは、着色部がレンズ内部に包まれている構造だ。だが、安価で出回っている海外製品の中には、この着色部が、レンズの角膜側やまぶた側に露出している商品があるのだ。国民生活センターが14年に実施したカラコンの商品テスト結果によれば、17銘柄中、11銘柄がレンズ表面に着色。その11銘柄中、5銘柄が角膜側、6銘柄がまぶた側だった。