──岩合さんがハッとされた、初めて見た場面は映画中にもありましたか。
短時間にとてもたくさんのネズミを捕るのを津軽で初めて見ました。1匹捕まったなと思ったら、すぐ次を捕まえてきて。おなかがすいていなくても、チャンスがあれば捕るんだなって。狩猟本能なんでしょうね。
──そういう驚きも含めて、いちばん印象に残っている猫、もう一度会いたい猫はいますか?
僕は常に過去より未来のことを考えているから、次に会う猫のほうが気になるけれど……でも、ドメニコにはもう一度会いたいかな。ホワイトスライスも、ピザ屋が閉店しちゃって、どうしてるかなと気になる。でも猫はたくましいから、元気でいてくれると思います。
──まだ訪れていない国で、猫を撮りたい国は?
もちろんまだまだたくさんありますよ。人が暮らしているところには絶対に猫がいるっていうのが僕の考えですしね。
──具体的には?
そうですね……先日、京都でワインを造っている友人に、フランスに猫がたくさん暮らしている城があると聞いたので、興味がありますね。お城がひとつ全部猫だらけなんだそうです。ただ、現実に行って見たら、えっ、これ?ってがっかりすることもあるので(笑)、想像を膨らませすぎないようにしています。
──映画を鑑賞する方へのメッセージをお願いします。
五感で楽しんでいただけたら。頭ではなく、体で、楽しんでいただけたらうれしいです。(構成/伏見美雪)
※週刊朝日 2017年10月27日号