内部監査や内部通報のシステムもあるが、不正を発見するのは困難だ。

「組織的な不正は巧妙に隠蔽されるので、監査で発見するのは難しい。内部通報は通報する側にメリットがなく、犯人捜しをされかねない。行政やマスコミ、取引先への情報提供で、初めて発覚するケースがほとんどだ」(郷原氏)

 こうしたカビ型の不正行為を発見する有効な方法は、問題発掘型アンケートだというのだが、

「社員から率直な自由回答を得る方法ではあるが、経営者の『覚悟』がないとできない。国が主導してアンケートを一斉に実施するなど、潜在化している不正への対策を集中的に行わないと、いつまでたっても同じようなことが繰り返される」(同)(本誌・多田敏男、太田サトル、秦正理/柳原三佳、佐々木亨、黒田朔)

週刊朝日 2017年10月27日号