「総理の天敵と言われて、2期目を過ごしました。だからこそ今回、無所属であろうとも国会での仕事、続けさせていただきたい」
「比例復活はありません。このワンチャンスを託していただき、仕事でお返しすると約束させてください」
地元の愛知県日進市内にある駅やスーパーで遊説を重ねているのは、不倫疑惑で民進党を離党した山尾志桜里前衆議院議員(43)だ。
青いタスキをかけ、白いカットソーに黒のパンツ、足元はスニーカーと服装はいたってシンプル。
「切れ者の美人ヤメ検」の雰囲気を抑え、庶民っぽさを醸し出していた。
山尾氏が戦う愛知7区は、自民党の鈴木淳司前衆院議員(59)との一騎打ちになるが、情勢調査ではリードされながらも接戦に持ち込んでいる。
山尾氏は待機児童や介護、安全保障などについて力強く訴えた後、こう強調した。
「安倍総理は北朝鮮問題を(大義に)掲げて解散しました。危ないならなぜ、いま解散して、1カ月も衆議院を空っぽにするんでしょうか。この国の安全よりも、今なら勝てるという思惑が、総理の背中を押したからだと私は思います」
今なら勝てると思わせたそもそもの要因が山尾氏の不倫スキャンダルなのでは、とツッコミたくなったが、遊説を聞きにきたという80代の女性は言う。
「今回の選挙から支援を始めた。人間、間違うことはある。資質を応援したい」
陣営関係者によると、今回の選挙戦で山尾氏は戦略を180度転換したという。