放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、マンダムの「ビフェスタ うる落ち水クレンジングローション」について。
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男性アイドルや俳優はもちろんだが、お笑い芸人や文化人らも、テレビ出演の際にはメイクをしている。
それは女性出演者が使うようなハイビジョン専用のクリームタイプではなく、昔ながらのコンパクト入りやスティック状のドーランを一塗りして「以上」という人が多いように見受ける。
その昔、「女性はなぜ、こんなモノを塗ったまま食事ができるのだろう」と口紅に疑問を呈していたのは西城秀樹。アイドル時代のコントで口紅を塗って女装をしたときの話である。
それに似て、ドーランを塗ることに抵抗を示す男性芸能人や文化人も少なくないが、「お願いだから、塗って」というのがメイクさんや番組スタッフの本音。ハイビジョンを通り越して、4K、8Kなどで老いてシミだらけのスッピンを映された日には、視聴者とて「塗って」と言いたくなるだろう。
なかには「塗りたくない」が通ってしまう大物も居るには居るのだが、番組スタッフは正直なところ「塗って」と思っている。
果たして、多くの男性出演者は渋々塗っているのだが、出演が終わると我先にメイク室へ行ってドーランを落としている。
その際、使われているのが「ビフェスタ うる落ち水クレンジングローション」。ポンプ式のボトルからコットン1枚あたり3~4プッシュ含ませて顔をふくと、ドーランがキレイに落ちるうえ、しっとり保湿までしてくれるという、“ふきとりクレンジングローション”の大ヒット商品。
洗顔いらずというのも、これから寒くなる季節には「助かる」と、一般女性にもおなじみのモノなのだが、実はこれ、「マンダム」の製品なのである。
ある年代以上にとっては、チャールズ・ブロンソンが「う~ん、マンダム」とキメたテレビCMでおなじみ。
年配のメイクさんも「これ、『マンダムなんですよ~』と話すと、『へ~、そうなの?』と抵抗なく使ってくれる男性出演者が多い」と満足気だ。
低刺激処方、無香料、無着色、オイルフリー、アルコールフリーなうえ、「アレルギーテスト・パッチテスト済み」。すべての人にアレルギー・皮膚刺激が起こらないわけではないとはいえ、肌質をほとんど選ばないのは、メイク室でもっとも助かる特徴でもある。
メイクのみならず、古い角質も落として透明感を出してくれるというのは、日々、あまり肌のお手入れに熱心ではない男性にもオススメ。「う~ん、マンダム」のポーズを久々にとりたくなること間違いナシだ。
※週刊朝日 2017年10月6日号