──キャリアを重ねるなかで、演技に対する思いに変化は?
お芝居に関してはわりと受動的な始まり方をしているんです。ありがたいことにオファーをいただいて「やってみようかな」と。今もどこかそういう受け身な部分がありますが、やっぱり「福山雅治にこの役をやらせたい」と思ってくださる方がいたらうれしいですし、そう思ってもらえる自分でありたい。常に準備はしておきたいです。
──福山さんにとって、芝居の楽しさとは?
いかに監督のリクエストに応えるか。そして、できることならそのリクエストを超えるものを提出したい。それが僕にとってのお芝居の現場です。あの接見室のシーンはまさにそういう瞬間でした。
──この先、思い描く未来とは?
俳優としては、「福山雅治と仕事がしたい」と思ってもらえる人間でありたい。それはどういう人なんだろうと、いつも考えています。オファーが来るのを待つと同時に、もっと積極的にやるべきことを具現化する作業が必要かもしれない。よく、ずっと座っていると病気になるって言うじゃないですか。それと同じで、やってないとできなくなるんですよ。お芝居も、歌も、ギターも、作曲も作詞も、ラジオのトークも。もちろんこの仕事は、喜んでくれる人がいてくれないと続けられない。だからやっぱり、求められる人間であるためにはどうあるべきなのか、ということなんでしょうね。
※ 7 月27日、ベネチア国際映画祭のコンペティション部門への出品が発表された。
※週刊朝日 2017年9月8日号