東京都は大阪府の10倍以上の金額を公用車につぎ込んでいるのだ。
そればかりではない。都議は16年度まで交通費として費用弁償を受け取っていた。本会議や常任委員会、特別委員会などに出席するため登庁すると、23区選出の都議は1日1万円、多摩地域選出の都議は1万2千円が支給されていた。都庁のある新宿区内から“通勤”しても、1万円を交通費として受け取ることができるのだ。
議会局によれば、費用弁償の支出額は15年度5258万円、16年度(速報値)5849万円に上る。
「以前は、公用車を使いながら、費用弁償を受け取るという“二重取り”する都議も多かった。99年の各会派申し合わせで公用車を往復で使った場合は、費用弁償を辞退することになった。ただ、規則があるわけではなく、議員本人から公用車使用の通知がなければ、機械的に支払われる形になっていた」(都庁関係者)
上位にランキングされた都議を直撃した。まずはトップになった議長の川井氏から。街頭演説後、車に乗り込んだところで声を掛けた。
「公務で使っているかどうかを見るべきで、単純に回数を数えたランキングなんて無意味!」
続けて「小池知事は公用車廃止に言及しているが」と問い掛けたが、「ダメ!」と話を制した。
4位にランクインしたドンこと内田氏にランキング表を示し、感想を聞いた。
「だって、別に使っていいことになっているから、使っているだけです。必要があって使っている」
質問を手で遮るようにして、支持者のほうに行ってしまった。
都議会で自民党との与党連立を解消して、“知事与党”となった公明党も多くの都議が上位につける。本当に公用車廃止を公約とする都民ファーストと政策一致できるのか。議員団長を務め、5位にランクインした中嶋氏を直撃した。
「公用車の使用が増えたのは政調会長や幹事長など要職に就いたからです。都議会公明党も公用車廃止を言っています。実は都民ファーストより早く言っていたんじゃなかったかな。(ハンドルを握るポーズをしながら)自分の車がありますから、必要ない」