アロニアのブームが近い。美容業界には、そう感じている人が多い。光沢ある黒い小さな果実で、抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富。なかでも、目にやさしいアントシアニンが格段に多い。東欧では「メディカルフルーツ」との通称も。試してみませんか、アロニアを取り入れた食生活。
「問い合わせが多く、ものすごい手応えを感じています。底堅い健康志向が背景でしょう」
アロニアを輸入販売する三信インターナショナル(大阪市)の三宅信史代表はこう話す。6年前から、無農薬で育てたポーランド産のアロニア製品の輸入販売を始めた。ジュースは1本480ミリリットル入りで、税込み1058円。ほかに、ワインやジャムなども扱う。ジュースの価格を見ても決して安くはないが、口コミなどで販売は当初の10倍以上に伸びた。
アロニアはアロニアベリーとも呼ばれ、北米原産のバラ科の植物。主にロシアやポーランドで栽培されている。小さな黒い実をつけることから、別名ブラックチョークベリー。三信によると、ポーランドでは身近な食材で、「自然界の薬」と呼ばれるほど栄養価が高いという。
ポリフェノールの量はブルーベリーの約2倍で、アントシアニンが豊富に含まれている。カロテノイドやビタミンC、カルシウムも多く含まれる。抗酸化作用があり、ダイエットにもよい。美容・健康業界の関係者がいま注目しているスーパーフルーツといえる。
記者がアロニアジュースを初めて飲んだのは5年前。展示会場でポーランド人に勧められた。
「こ、濃い……。色も」
赤ワインのような味わいだった。少し渋いものの、しつこさはない。他のベリー系ジュースと比べ、果皮独特の際立つ深みがあった。
パソコンやスマホの画面を長く見る仕事柄、目の健康維持を心がけてきた。色素を多く含む緑黄色野菜を積極的にとり、ブルーベリーやアサイー、ゴジベリー(クコの実)で補う生活を送っている。それだけに、アロニアに出会った際の印象は「これは目に良さそうだ。アロニアも加えてみよう」。以来、気になっていた。