「子供の頃、浴びるように洋楽を聴いていたとき、英語はわからなくても曲が言わんとしていることはわかった気がした。私が詞にメロディーをつけるときも、伝えたいことをどうメロディーに乗せるかに腐心します。私の音楽がアジアの国々で受け入れられるのは、メロディーにも、私が言わんとすることを込めたいと考えて作っているせいかもしれない」
「恋人よ」が大ヒットしてからは、忙しい毎日を過ごしていた。体調を崩し、「休みたい」と心と体が悲鳴をあげた頃に、今の夫と出会い、結婚。子供が生まれたことをきっかけに、仕事をセーブした。2013年以降は毎年秋にコンサートツアーを行っていたが、デビュー45周年の今年は、春からのツアーとなる。
「出産と子育てを経験して、私はようやく“人間形成”の時期に入ったの。こんなふうに笑いながらインタビューを受けられるようになったのも子供のお陰。若い頃は、自分の世界を表現することに躍起になっていたけど、今は人間として高得点を目指したい。歌だって、今のほうが表現に深みが出ているはずだし(笑)」
※週刊朝日 2017年5月26日号