向井:親がいて祖父母がいて、その先に生きていた人がいるから今の自分があると、改めて実感しました。

山本:お子さんに恵まれて感じられたこともあるのではないですか。

向井:子どもが生まれて、本当にしっかりしなきゃいけないと思いましたね。そういうプレッシャーを、親も、そのまた親も感じていたと思うと、自分が今こうして生きていることに対して感謝の気持ちが湧き上がってきました。

山本:先人がいたから、今があるんですものね。おふたりを身近に感じることで、向井さん自身の生き方、考え方も少し変化したんでしょうか。

向井:そうですね。人を愛するということは、捨てたもんじゃないな、と。この映画を見てそんなふうに思ってもらえたら、すごく嬉しいですね。(構成/五十嵐佳子)

週刊朝日 2017年5月19日号