もう7年前のことになる。志尊淳さんは雑誌の読者モデルを経験したことで、芸能界に興味を持った。軽い気持ちで芸能スクールに通ってみると、千人近い同期生がいた。「この中で一番になりたい。絶対なってやる」。そう強く思った。
「子供の頃からいろんな格闘技を習っていたこともあって、勝ち負けにはこだわる性格というか……。やるからには達成感が得られないとイヤなんです。でも、そういう野心を口に出して言うようになったのは、ここ1~2年ですね。この世界に入って最初の5年間は、言われたことを黙ってやり続けることで、まずは俳優としての自分を認めてもらうことに必死でした。でも俳優って、たとえばオーディションにしても、少しの時間でその後の人生が左右されてしまうわけで、どうせなら、人と接するときはもっと自分の色を出していったほうがいいんじゃないかと思うようになりました。今はこの仕事に人生を賭けていますから」
年齢的にも20歳を過ぎ、自分の中の“ギラついた”部分をオープンにするようになってから、共演者からも、「ほんわかした見た目に反して、中身は男っぽい」などと言われるように。今月末に公開される映画「帝一の國(くに)」では、菅田将暉さんや野村周平さんなど、同世代の俳優と共演しているが、撮影現場では「じゅんじゅん(愛称)は腹黒いなぁ」などと、よくからかわれたのだとか。