「同世代に、刺激をくれる俳優がいっぱいいるんですよ。その中で自分をよく見せようとしてカッコつけたり取り繕ったりしていたら、絶対に埋もれちゃう。だから、どう見られるかなんて気にせず、悔しいと思ったら悔しいって口に出すし、共演者ともスタッフの方たちとも本音でぶつかっていくようにしています。長く俳優を続けていくために、いいところも悪いところも含めて愛していただきたいと思っているので」
俳優デビューは2011年。俳優集団D-BOYSのメンバーとしてミュージカルでも活動してきた彼が、初めてストレートプレイに挑戦する。「春のめざめ」は、100年以上前にドイツの劇作家フランク・ヴェデキントによって書かれ、そのセンセーショナルな内容から上演禁止処分となった戯曲だ。演出家の白井晃さんは、主演に志尊さんを起用した理由を、「柔らかい雰囲気なのに、芯があるところが面白いと思った」と、制作発表で語っていた。
「お話をいただいて、やれる自信が全くなかったときに白井さんとお会いして、『自信はありません』『映像と舞台の違いもよくわかりません』と正直に伝えました。でも、その面接後に白井さんが演出された舞台を観て、無性に『この人にしごかれたい!』と思った。どんなに厳しくされてもいい。俳優が壁を乗り越えるためには、演出家の愛でしごかれないと。そう覚悟を決めて臨みます」
※週刊朝日 2017年4月14日号
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