ビラノアは1日1回の服用で、食事の影響を受けて効き目が低下するため、食前1時間と食後2時間の計3時間は服用を避ける必要がある。白川さんは最初、昼食30分前に服用していたため、効果がいま一つだった。医師から再度、指導を受け、薬を飲んでから1時間以上経って食事をとるようにしたら、症状がほとんど感じられなくなった。眠気もなく、車の運転も問題はない。

 新薬では効果や副作用などを見ながらの投薬が必要なことから、承認後1年間は2週間分しか処方できない。患者は月2回通院しなければならないが、白川さんは現時点で効果が出ているので苦にならないと話しているという。

 同じく16年11月に保険が使えるようになった「デザレックス」(同デスロラタジン)という薬も即効性があり、長く効く抗ヒスタミン薬だ。効果の長さをあらわす血中半減期(血液中の薬物濃度がピーク時の半分になるまでにかかる時間)が19.5時間と、抗ヒスタミン薬の中でもっとも長い。また、食事の影響を受けにくいという特徴もある。

 二つの新薬の登場でさらに選択肢が増え、薬を替えることで効果が期待できる場合もある。

「薬を替えたら2週間は続けて飲んでみて、効果が感じられるかどうかをさぐってください」

 と上條医師は話す。

 さらに、症状の強さや副作用だけでなく、白川さんのようにライフスタイルに合わせた選択が可能になってきている。

 もちろん、外出時はマスクをする、ふとんや洗濯物を外干ししないなど、内服薬を使っていても、できるだけ触れる花粉の量を減らす努力は不可欠だ。

週刊朝日  2017年3月31日号より抜粋

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