「数カ月間止まっていた時間がようやく動きだしました」(50代後半、会社員、男性)
朴槿恵前大統領が罷免された韓国では、国民の関心はすでに大統領選挙(大選)に向いている。大選は5月9日に決定し、“ポスト朴”の動きはいっそう慌ただしくなってきた。
現在、大統領候補支持率1位は野党の文在寅(ムンジェイン)「共に民主党」前代表(64)が30%を上回る断トツ。朴前大統領の弾劾訴追をめぐり、分裂した旧与党の保守派では黄教安(ファンギョアン)首相(大統領権限代行、59)が不出馬を表明し、保守派では有力な候補者不在という未曽有の事態に陥っている。
「保守派に残された道は野党と組んで文氏に対抗できる候補者を立てること。現在、旧与党の洪準杓(ホンジュンピョ)慶尚南道知事が浮上していて、野党の重鎮もいよいよキングメーカーとして動きだしましたが、うまく運ぶかどうか……」(韓国紙記者)
候補者選びと並行し、与・野党3党は、論争となっていた改憲を問う国民投票を大統領選挙と同時に行うことを電撃合意。大統領の圧倒的な権力を分散させるために「任期5年1期を任期4年で2期まで可能」とする改憲案に慎重論を唱えていた文氏を牽制(けんせい)する動きと見られている。