その結果がつまるところ、08年の調査で発覚した豊洲の土壌汚染問題だ。基準値の4万3千倍のベンゼンが検出されたのをはじめ、シアンやヒ素など有害物質にまみれていた。
現在、仲卸業者らが石原氏の責任を求めた住民訴訟が東京地裁で審理中で、汚染された土地を購入したのは違法な公金支出に当たるとして、石原氏に578億円の返還を求めている。小池氏は「石原氏に責任はない」と主張してきた都側の訴訟代理人を交代させ、新たな訴訟対応特別チームを編成。石原氏の法的責任を検証していく方針だ。原告団の一人、水谷和子氏が語る。
「2月9日の進行協議で都側がどういう方針で出てくるのか。これまで世間の関心が薄かったが、一気に注目されて裁判官も動揺しているみたい。『全体として何が起きたか知りたくなった』と言い始めています」
小池氏は、真相のすべてを明らかにできるのか。(本誌・亀井洋志、上田耕司、小泉耕平)
※週刊朝日 2017年2月17日号より抜粋