小池百合子都知事が支援した現職の石川雅己氏が5選を果たした千代田区長選だが、大どんでん返しとなる“疑惑”が浮上した。築地市場移転問題のきっかけを作った当事者は、石川氏だというのだ。
2月3日の応援演説で小池知事は豆まきはしないと言ったが、石川氏はその数時間前、千代田区の神社・神田明神の節分祭で実は袴姿で豆まきをしていた。そこを直撃した。
──港湾局長だったころ、豊洲移転を提案したか?
「してないよ、全然」
──1995年に石川さんが提案した。
「いや、そんなことねぇだろう。港湾局は1年しかやっていないから、わかんない。いろんな可能性として、用地がいろいろとありますよという話はあったと思うけど」
──当時の港湾局長が豊洲、城南島、中央防波堤外側の三つを提案しているが。
「うちが提案したんじゃない。事業をする中央市場が判断することだ。あくまでも空いているところはどこかと聞かれて答えたまで。ここがいいなんて、どうして港湾局の事業ではないのに、そんなことを言えるの」
──東京ガス豊洲開発の幹部はご存じでしたか?
「知らない。もう20年以上前だからわかんない。港湾局は当時、けっこう用地を持っていたから、使える用地はどういうものかと聞かれたかもわかんない」
──じゃあ、豊洲新市場は誰が言い出したのか。
「わかりませんよ。一般的には石原(慎太郎)さんになってからだから。具体的に折衝したんでしょ」
──豊洲の問題をどう思う。
「それはわかんないな。あんな状況になるなんて」
──小池知事と豊洲新市場の問題について話し合ったことはあるか?
「一切ないです」
──それはなぜか。
「僕はそういうことに関わったことないんだから、わかんないですよ」
豊洲移転の発端になったことを否定するばかりだった。
小池氏がこれほどまでにクローズアップさせた問題を、元港湾局長だった石川氏とまったく話題にしたことがないというのは、むしろ奇妙な話だ。