魅惑のとりこ/エディ・ヒギンズ・トリオ
魅惑のとりこ/エディ・ヒギンズ・トリオ
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「最近の録音って、ちょっと低音多すぎじゃね?」古くからのジャズファンで、昔ながらのオーディオ装置を使ってる人が、新しい録音のCDをかけると、ドバドバ出てくる低音に苦労することがある、というか、わたしもさんざん苦労した。特にヴィーナス・レコードが出すCDは、“ハイパー・マグナム・サウンド”とかいって、もうどれもこれも音が大きく低音ボーボーで、困ったものだ。『魅惑のとりこ/エディ・ヒギンズ・トリオ』もそんな一枚。

 飽和してしまいがちな音の洪水を、ヒギンズの持ち味を引き出して、いかにピアノを美しく、エレガントに鳴らし切るか、そこがオーディオマニアの腕の見せ所だ。

 さて、年末年始、CDをたくさん買い込み、よ~し、正月はジャズを浴びるように聴くぞと計画してらっしゃる方もあるかもしれない。

 せっかくだから今回は、年末の大そうじをするついでに、リスニングルームの音も良くしようという提案をしてみたい。

 そうじなんかしたって音良くなるわけねーじゃん!とお思いのアナタ、まあ騙されたと思ってやってごらんなさい。高級スピーカー買うだけがオーディオじゃないのですよ。

 [その一] スピーカーまわりに物を置かず、自分のまわりに物を置く

 大そうじというと、まずは粗大ゴミとか不用品を捨てるんでしょうか。部屋の隅に山積みになってる雑誌とか、古い家具とか本棚とか、この際一気に処分して、部屋を広々と使いたいと思ったとする。

 その場合、アナタがいつも音楽を聴いてる定位置(リスニングポジション)がすっきり整理され、スピーカーの周辺よりも響きが多くなってしまうと音響的にはよろしくない。意識してスピーカーまわりを整理整頓してすっきりさせる。そして、できれば家具など、動かせるものはリスニングポジションの近くに移動。

 響きの多さ=物の少なさ として考え、スピーカー付近(響く)>リスニングポジション(響かない)の公式を守るよう配置するのがだいじなポイントだ。

 [その二] コードや配線に溜まったホコリを払う

 次に電源まわり。本格オーディオシステムをお持ちの方には言うまでもないことだが、ミニコンポでもラジカセでも、給電する電源コンセントがタコ足配線になってると、著しく音質が悪化する。音楽と関係ない留守番電話とかプリンタとか、クリスマスツリーとかの電源は、オーディオと一緒にしないで、別の壁コンセントから給電するようにしたい。

 オーディオ機器を設置した棚のホコリをそうじするついでにこれもチェック。裏面を這い回ってるコードも雑巾で拭いて、こんがらがってるのがあれば、ちゃんとほどいてやる。ただし、コードが長すぎるからといってぐるぐる巻いて束ねたりすると、それはそれでコイルのように作用するから、どちらかというと、そのまま素直に這わすほうがいい。

 さて、どうだろう?再生音がガラリと変化したように感じるのは、決して気のせいではない。[その一]は低音の暴れを抑えるのに有効だし、[その二]では鈍くなった高音の切れ込みが甦る。すっきり清々しいサウンドで、どうぞよいお年をお迎えください。

【収録曲一覧】
1. 縁は異なもの
2. ディトゥア・アヘッド
3. 魅惑のとりこ
4. ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング
5. ビューティフル・ラブ
6. 不思議の国のアリス
7. エンジェル・アイズ
8. フィランスロピスト
9. エスターテ
10. ブルー・プレリュード
11. アイ・ヒア・ア・ラプソディ
12. 時のたつまま
13. 枯

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