「待ち遠しくて仕方ない」「僕は任天堂の大ファン。クリスマスが楽しみだ」
ツイッター上でいま、「ファミコン」に関する多くのつぶやきが飛び交っている。日本の話? いやいやアメリカの話だ。
任天堂の米法人Nintendo of Americaは、海外版ファミコンであるNESの復刻版、「NES Classic Edition」の発売を今年7月に発表した。価格は59.99ドル(約6200円)。手のひらサイズで、テレビに接続して遊ぶ。30のゲームがインストールされており、スーパーマリオブラザーズやゼルダの伝説、ロックマンなど往年の名作がめじろ押しだ。
11月11日から発売開始予定だが、8月下旬Amazon.comで先行予約の受け付けを開始。ものの数分で在庫切れに。商品批評などのネットメディアCNET副編集長のショーン・ホリスターさんは、
「いま米国は80年代を懐かしがる人が多い。小さくかわいくて、安いので、ホリデーシーズンに衝動買いされそう」
と分析する。
「日本でも販売してもらいたいですね」
と語るのは、80年代にファミコンブームを牽引した高橋名人(57)だ。昭和のゲームをいまだにやりたい人はけっこういるという。
「30本のタイトルを見ても、ヒット作品らしくていいのでは。ただ、FF(ファイナルファンタジー)が入って、ドラクエ(ドラゴンクエスト)が入っていないのはアメリカっぽい」(高橋名人)
日本で販売の予定はないのか。任天堂に問い合わせてみた。
「一般論として社内でさまざまなことを検討はしていますが、日本での販売を検討しているともしていないとも、言えることは何もありません」(広報担当)
しかし、日本のアマゾンで検索してみると、商品があるではないか。どうやら輸入業者が独自に出品しているようで、その価格は約2万円(送料別)。任天堂に再び問い合わせてみると、こんな注意が。
「今回の販売は、北米と欧州のみ。それ以外の地域で使用されることは想定されていません。故障などしても日本法人では保証の対応ができません」(同)
高橋名人はこう語る。
「任天堂が日本で復刻版を出すとしたら、本体の色を初期の赤と白にするのか、ニューファミコンのグレーにするのか。僕は赤と白がいいですね。言い方は悪いですが、本当に“おやじホイホイ”になりますよ」
ファミコン世代の思いは届くか。
※週刊朝日 2016年9月23日号