草笛:役者ってけっこう汚しが好きなんですよ。「ここで真っ黒にして」と言われたら、うれしくてね。一家で逃げていく場面、あれは撮影の初日に長野の山の上で撮ったの。ロケハンに行った人が、「車を降りて歩かなきゃいけないから、草笛さんには無理かも」と言ってたのに、実際に行ったら私がいちばん元気だったそうです(笑)。どうやって撮るんだろうと思ったら、ドローンが飛んでいて……。
林:あれ、ドローンで撮ってたんですか。
草笛:そう。なんかうれしくなっちゃって。みんなが力を合わせてつくり上げていくみたいな、そういうときが楽しいわね。
林:おとりさまがいなくなって、寂しいですよ。
草笛:私も死にたくなかった(笑)。でもこの間、「真田家ゴッドマザーを囲む会」というイベントがあって、行ってきたんです。えーと、九度山のある……。
林:和歌山ですか。
草笛:そう、和歌山。いやぁね、最近パッと出てこなくなっちゃって。
林:私もですよ。この間も新幹線で違う席に座って注意されました。しかも行き帰り両方だから、自分でも大丈夫かしらと……。
草笛:それは大丈夫。今、大泉洋さんの元お嫁さん役で出ている長野里美さん、あの方と映画を見に行って、「草笛さん、こっちです」と言われてそこに座ると、たいてい間違っているんです(笑)。
林:まあ。草笛さんのようにお顔を知られている方だと、ちょっと恥ずかしいですね。共演者の方とも、仲良くなられたんですか。
草笛:長野さんとは以前も舞台で一緒だったんですが、「真田丸」の出演者はみんなとっても気が合っています。こういうのを私の周りでは「種が一緒」っていうんです。どんなことがあっても仲良くしていけるの。思いが同じというか。
※週刊朝日 2016年8月26日号より抜粋