画面をよく読むと、日時変更やキャンセルの方法も説明されている。
それを知らずに「×」で閉じると、予告日時に自動的にアップデートされる。「ウイルスみたいだ」「勝手にされた」と利用者の怒りを呼んでしまう。
この事態をどう見るか。
ITジャーナリストの三上洋さんは「今回はバージョンナンバーが変わる大幅なアップグレード。自動で行う姿勢に根本的な問題があると思います」と言う。
かつてXPのサポートが終了した際、新たなOSを載せたパソコンへの買い替え需要が発生したことは記憶に新しい。マイクロソフトが、今回のように無償で大幅アップグレードするのは初めてのこと。不慣れさゆえに、大きな混乱を招いたのかもしれない。
三上さんはこうも言う。
「10の(普及の)伸びが悪いなどの理由があるのかもしれません。早く切り替えさせたいとの思いが、タイマーのようになったのではないでしょうか」
方法は問題だったが、アップグレード自体は行ったほうがよいとの立場だ。
ただし、10に未対応のソフトなどは正常に動作しないこともあるので注意も必要。ユーザー対応の向上が、次のバージョンアップ時の課題か。
※週刊朝日 2016年6月10日号