シリアで行方不明になっていたジャーナリストの安田純平さんとみられる男性の動画が3月17日、インターネット上で公開された。安田さんは昨年5月初め、中東へ向かって出発したが、その直前、東京都目黒区の飲食店で友人のジャーナリスト常岡浩介さんらと食事をしていた。
常岡さんによれば、そのときには、安田さんはすでにシリア行きを決めており、昨年6月23日にはトルコ南部からシリアに入国。その後、国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」に拘束されたという。
グーグル・ハングアウトのチャットで、安田さんから常岡さんへの最後のメッセージは≪いま、シリアです。すげえ疲れた。どこだかさっぱりわからんけど≫。
ジャーナリストの後藤健二さんらが殺害されたシリアに、なぜ向かったのか。
「シリアの内戦ではもう46万人が殺されています。一番被害が出ている場所が今回、安田くんが向かったイドリブ県。反体制派を取材すると言っていました」
消息が途絶え、昨年12月、ジャーナリストの国際組織「国境なき記者団」が「安田さんがシリアの武装勢力に拘束され、身代金を要求されている」と発表。その後、撤回するドタバタがあった。
「あの騒動はスウェーデン人の自称セキュリティーコンサルタントが犯人グループの周辺に接触し、日本政府と身代金の交渉をしてやるからと言ったことから起きた。そういった動きがいくつかあった結果、犯人グループは日本政府がお金を払うと誤解したことが、今回の動画につながった動機だと思います」(常岡さん)