ヌスラ戦線はIS(イスラム国)とは違い、人質を殺すことや動画を使って身代金を要求するということをあまりやらない組織だという。今後、日本政府はどう動けばいいのか。愛国者団体「一水会」の木村三浩代表はこう言う。
「官民のあらゆるチャンネルを使って犯人グループと交渉したほうがいい。後藤さんらのときのような失敗は許されないと言いたい」
しかし、前出の常岡さんは別の意見だ。
「日本政府は身代金の交渉をする必要はないと思います。過去、ヌスラ戦線に拘束された人の多くは、カタール政府の仲介で解放されておりますので、カタール政府に交渉をお願いすればいいと思います。長期化しても安田さんはタフなので大丈夫でしょう」
無事を祈るばかりだ。(本誌・西岡千史、牧野めぐみ、藤村かおり、亀井洋志、松岡かすみ、長倉克枝、上田耕司/菅野朋子)
※週刊朝日 2016年4月1日号