
いつも若者でにぎわう原宿・竹下通りが最もにぎわったのは、1980年代後半、タレントショップ全盛期だった。
「特に日曜日は満員電車に乗ってるみたいでしたよ。通りの反対側のお店に行きたくても、いったん出口まで行って引き返さないといけませんでした」
と言うのは、原宿竹下通り商店会副会長の新井和明さん。
「ビートたけしの『元気が出るハウス』、あれが火付け役でしたね」
和田アキ子、山田邦子、加藤茶に田代まさし……人気タレントのショップが続々オープンし、竹下通りに若者や修学旅行生、観光客があふれかえった。
「7分ぐらいで抜けられる通りが、30分ぐらいかかってね。東郷神社の境内を通って抜けたりしましたね」
と、同商店会会長の遅澤一洋さんは言う。竹下通りの客の年齢層が一気に低くなったのがこの時期だったそうだ。
「今は竹下通りは若い女の子が多くて、男の子は『裏原』といった感じですが、それ以前は、もう少し大人っぽい雰囲気もありましたね」(新井副会長)