林:やはり、新3本の矢の一つである強い経済をつくるのが私の使命ですね。GDP600兆円を目指す中で、大企業だけでなく中小企業に元気が出てこないと、1億総活躍と言えない。
稲田:地方の中小企業が元気になることは大事ですよね。私がいつもかけている眼鏡は地元・福井でつくられたものですし、今日着ている服の生地も、福井のものです。この網タイツも、タテアミの技術を発信する意味があるんですよ。
大下:大阪ダブル選では橋下氏が「僕はあの網タイツが全く分かりません」とツイートしていましたが、ちゃんと意味があるんですね(笑)。林さんは経産相として、10月に参加国間で大筋合意が成立したTPPの今後の交渉や、国内での対策を主導していく立場です。でも、前々回の衆院選時はTPPに反対だったのでは?
林:最初はそうでした。「例外なき関税撤廃」が謳(うた)い文句だったので、農業全体がやられてしまうと思っていましたが、この間、安倍首相が重要5品目は例外にするとアメリカでおっしゃった。農業を守ると同時に強くするTPPならけっこうじゃないかと。担当相になりましたので、どんどん農水産物を加工して輸出する動きを後押ししていこうと思っています。
二階:私は経産省、農水省、国交省が協力して、アジアの諸外国に日本の特産品を置く「道の駅」をつくって差し上げればいいと考えています。同時に「道の駅」のつくり方を教えてあげれば、諸外国も「あ、こんなものならやれるぞ」となる。名産品はきっと向こうにもあって、そういうものがどんどん出てきます。
大下:TPPといえば小泉進次郎さんが農林部会長として、各地の生産者と意見交換をする「キャラバン隊」などで頑張っています。どのように見ていますか。
二階:農業問題は特に、活力を加えて生き生きと政策を立案していかなければいけない分野。そういう面で、小泉さんを配置したのは本当に素晴らしい人事だし、彼もそれによく応えている。小泉さんが部会長でなかったら、TPPはまだ論争が続き、党内も多少荒れたかもしれない。西川公也農林水産戦略調査会長とタッグを組んで見事に乗り越えてみせたのは、わが党の農政史上でも特筆されることだろうと思いますよ。
(構成 本誌・小泉耕平、上田耕司、長倉克枝)
※週刊朝日 2015年12月25日号より抜粋