太田光代おおた・みつよ/1964年、東京都生まれ。(株)タイタン代表取締役社長。モデルを経てタレントに。26歳のとき、当時無名だった太田光と結婚。27歳でタレント事務所「タイタン」を設立し、29歳で法人化。太田光・田中裕二の「爆笑問題」を国民的お笑いコンビにまで成長させる(撮影/写真部・堀内慶太郎)
太田光代
おおた・みつよ/1964年、東京都生まれ。(株)タイタン代表取締役社長。モデルを経てタレントに。26歳のとき、当時無名だった太田光と結婚。27歳でタレント事務所「タイタン」を設立し、29歳で法人化。太田光・田中裕二の「爆笑問題」を国民的お笑いコンビにまで成長させる(撮影/写真部・堀内慶太郎)
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 親の介護に悩む人は多いが、爆笑問題・太田光さんの妻であり、タレント事務所「タイタン」の代表取締役社長を務める太田光代さんもその一人だった。2013年に実母は熱中症で入院、義母は骨折と、ほぼ同じ時期にその問題が発生したのだ。

*  *  *

 親を引き取る覚悟はしていたものの、「二人同時」は“想定外”でした。

 さて、どうしよう。太田の母をわが家に引き取ることはできます。部屋はあるのです。問題は、私も夫もほぼ終日家にいないことです。家事はお手伝いさんがやってくれますが、時間がくれば帰ります。そう、赤の他人の老女が実質二人で暮らすことになるのです。

 そしたらどうなる? 太田の母は年下だから、私の母に気を使うことでしょう。私の母は太田の母に甘え、頼るはず。平等な関係になるはずがありません。

 こりゃ、まずい。だったらどうする? 太田の母をホームに預ける? でも、自分の母を引き取っておいて、夫の母はホームって、嫁としてどうなの?

 本音を言ってしまえば、私は実の母より太田の母といっしょに暮らしたかったのです。太田の母は思慮深く、余計なことを言わない人。この人となら仲良く暮らせると、なんとなく思っていました。

 一方、私は昔から実の母と折り合いがよくありません。ケンカはしょっちゅう。自立心旺盛だったことも手伝い、私は高校2年生で家を出ました。父は大反対し、家賃どころか学費まで支給停止。私はアルバイトで暮らしを立てたのです。

 実母は、ずっと「年をとってもアンタの世話にはならない」と豪語していました。でも現実にはそううまくいくはずがありません。どんなに合わない娘でも、頼れるのは私だけ。世話できるのも私だけ。

 とりあえず、太田の母がどうしたいのかを聞くしかありません。でも私からは聞きにくい。聞きだすのは、どう考えても息子の太田です。

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