自身の父をモデルにした小説『流』で第153回直木賞を受賞した東山彰良さん。受賞以来、取材などで忙しい毎日を送っているが、現状を「不整脈のようなもの」だと作家・林真理子さんに吐露した。
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林:今回は又吉直樹さんがいるから報道陣が異様に多かったですしね。又吉さんとはもうお話ししました?
東山:受賞後に福岡のローカル番組で共演して、ロケ車での移動中にしゃべったりしました。僕は音楽が好きなので、京都のロックバンドの話をしたら彼も知っていたり。とても落ち着いて、いい方だと思いました。僕と又吉さんが街でばったり会って、僕が街を案内するという内容だったんです。「ワープしましょう」と言って、せーのでジャンプすると店の前みたいな(笑)。
林:あちらは芸人さんだからいいけど、東山さんは照れちゃいますよね。ケータイ番号とか交換したんですか。
東山:僕、ケータイ持ってないので。
林:えっ、今どきケータイ持ってなくて、お仕事は大丈夫なんですか。
東山:仕事はぜんぜん。(同席の担当編集者を見て)彼がそつなくさばいてくれるので。
林:ふーん。でも、又吉さんと一緒に受賞した羽田圭介さん、かわいそうじゃない? 「又吉さんと一緒」ってずっと言われるし。東山さんは直木賞だからいいけど。
東山:羽田さん、いじられやすいキャラクターみたいで、いいポジションにいると思いますよ。この間もマツコ・デラックスさんの番組に出ていたみたいです。
林:東山さんにも、バラエティー番組のオファーとか来ます?
東山:あまりないですし、あってもたぶん断ります。
林:うまく対応できない?