「パトロールを強化し、3月5~6日にH容疑者の父親と会って、私たちに報告するはずだった、と問い詰めると、『H容疑者の父とは会ってない。話もできていなかった』と言われました。3月3日以降、パトロールに来たというが、声などもかけてこず、本当に来ていたのかわかりません。アホらしくなり、帰りました」(Aさん)

 それ以降は、弁護士を通じ、洲本署と事件対応の疑問点のやり取りをした。

 6月12日付の村田久美署長名で寄せられた回答は、

≪健康福祉事務所(兵庫県所管の保健所)から「関係者は自傷他害の恐れはない」旨連絡を受けていた≫≪危険性、切迫性など健康福祉事務所に通報すべき必要は認められない≫

 だが、精神保健福祉法23条では、警察官は異常な挙動や周囲の事情から判断して、自身や他人を精神障害のために傷つける可能性があるときは、保健所長を経て都道府県知事に通報しなければならないとされている。

 もし、警察が通報していれば、医師の診断で措置入院させることができた可能性があった。実際、H容疑者は措置入院させられた過去がある。

 兵庫県障害福祉課に洲本署からの通報の有無を確認すると、こう回答した。

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