奇矯なキャラクターが際立つ探偵Lは、映画版の松山ケンイチが外見も含め完璧に再現していたけれど、山崎賢人演じるドラマ版は、マイナービジュアル系バンドみたいなビジュアル。

 天才vs.天才の闘いが、アイドルオタクの平凡な大学生vs.ビジュアル系に。いやがおうにも盛り上がりますね、炎上的意味で。

 ストーリー展開とはまったく関係なく、なぜかノートパソコンでお笑いコンビ「髭男爵」の動画にはまっているL。

 そのまま赤ワインのグラスを掲げて「ルネッサーンス!」してしまうL。

 Lの後継者候補、ニア(優希美青)ときたら、男から女にキャラ替えした上に、なぜかいっこく堂みたいな腹話術人形を抱いてるという、R-1ぐらんぷりを狙ってる新人ピン芸人みたいなたたずまい。

 ここまで来ると、「こんなデスノートはイヤだ!」というネタなんじゃないかと思えてくるドラマ版。

 返すがえすも物語のカナメ、死神リュークが、当たり前のごとくCGなのが残念だ。この役を「リアル進撃の巨人」こと、柔道家・篠原信一の特殊メイクで再現してくれたら、いっそ神ドラマだったかも?

週刊朝日 2015年7月24日号

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