アテネ五輪のメインスタジアムで開催された開会式 (c)朝日新聞社 @@写禁
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 世界を駆け巡ったギリシャの財政危機は、アテネ五輪がきっかけといわれる。バラマキ政治に粉飾決算を行った国の放漫経営が元凶だ。

 日本の財政危機のきっかけとなりそうなのが、ギリシャと同じ五輪だという。

 20年東京五輪の招致時に、東京都が国際オリンピック委員会(IOC)に示した立候補ファイルで、全施設の整備費は、計4554億円だった。

 ところが、大規模な追加工事や周辺道路整備などを織り込むと、7千億円に上るという試算も出ているという。新国立競技場の総工費は当初の予定より900億円高い2520億円となった。円安により資材費が高くなれば、コストは膨らむ。開催準備金が不足すれば、都、国が負担することになる。「配分をめぐって今は綱引きしている最中」(都関係者)という。

 ムダな公共投資が増えれば、海外の投資家から、「無尽蔵に財政ファイナンスを行っている国」とみなされる。結果として、通貨の信用を失うことになれば、円は暴落してしまう。

「そのとき、1ドル=200円、250円と超円安時代に突入し、輸入インフレを通して国内景気は一気に悪化します」(菊池代表)

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