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 今、海外に長期滞在、移住する人たちが増えている。外務省の海外在留邦人数調査統計によると、国外に在留する日本人の数は約125万8千人(2013年)。前年より0.7%増え、過去最多となった。

 そんななか本誌が注目したのは、“おひとりさまシニア”の長期滞在、移住だ。長期滞在(ロングステイ)の調査、研究・啓発活動などの事業を行う一般財団法人ロングステイ財団が実施したアンケートによると、ロングステイ(海外は2週間以上)の同伴者でもっとも多いのは「配偶者」で59%だったが、なんと2位は「一人」で21%。60歳以上のおひとりさま長期滞在、移住は18%もいた。同財団業務部長の佐藤博之氏は言う。

「女性からの問い合わせも多く、先日も年配とおぼしき女性から『ようやく(夫が亡くなったあとの)身辺整理ができた。残りの人生は自分の時間のために使いたい。今すぐアメリカに行きたいけれど、どうしたらいいでしょうか』といった電話を受けたばかりです」

 なぜ、シニアがおひとりさま長期滞在、移住を夢見るのか。シニアの生活スタイルを研究する博報堂新しい大人文化研究所統括プロデューサーの阪本節郎氏は、団塊の世代である60代後半からこういう考えが出てきていると分析する。

「この世代で見合い結婚と恋愛結婚が逆転し、恋愛結婚する男女が増えた。女性が自分の意思で生き方を選ぶ時代になったと考えられます。新婚旅行が宮崎や鹿児島からハワイに変わり、海外に駐在する人や海外旅行を楽しむ人も出てきた。海外で暮らすことに、抵抗感がなくなったのも背景にあると思います」

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