バブル期は「ジュリアナ東京」が盛り上がった(写真は08年の復活イベントのもの) (c)朝日新聞社 @@写禁
バブル期は「ジュリアナ東京」が盛り上がった(写真は08年の復活イベントのもの) (c)朝日新聞社 @@写禁
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 証券会社が立ち並ぶ東京・日本橋兜町。東京証券取引所が開所されたときから続く老舗のうなぎ屋「松よし」は、「うなぎのぼり」にゲンをかつぐ証券関係者に古くから親しまれてきた。

「いつも悪いね。今年もよろしく」

 今年年初、ネット証券大手、松井証券の松井道夫社長が松よしに突然あらわれた。同社では年明けに、バブル期から変わらず社員にうなぎを振る舞っている。今年は150人前を注文した。出前のバイクでは麹町の本社まで運び切れないため、宅配業者の「赤帽」にお願いしたそうだ。

「社長がお店に来られたのは初めてですよ」(松よし2代目店主の江本良雄氏)

 東証で行われた恒例の大発会に参加した帰りに、うなぎのお礼に訪れたそうだ。株高のせいか、足取りは軽かったという。その松井証券は今年4月、賞与を規定額から100万円上乗せして支給した。

 一方、日経平均株価が一時15年ぶりに2万円台を回復した4月10日、ネット証券のカブドットコム証券では、社員や関係者全員に現金入りの大入り袋を配った。

「業績がよいときなどに大入り袋を出します。アベノミクス景気になってから、毎日のように出すこともあります」

 と同社の担当者は顔をほころばせる。

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