自民党の“ラスボス”二階俊博総務会長(76)が5月23日に3千人を引き連れ訪中し、習近平国家主席と一対一で会談した。「媚中(びちゅう)」との批判もある中、作家・大下英治氏がその「密伝」に迫る。
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大下:日中関係が険悪な時期にあえて訪中された意図は何ですか?
二階:今の日中関係はどうなっているんだろうか、と私もずっと疑問を持っていました。誰かが切り替えのポイントを間違ったようになってしまった。もとの友好関係へ修復することをしなきゃいけないなと思っていました。自分が中国へ行って、要人と直接、会って話し合って、真相はどうなのか、確かめてこようという思いがありました。
大下:どうでしたか?
二階:今回、北京に到着した瞬間に険悪な関係という考えは間違いだと思いましたね。何も中国側は変わっていない。我々が、難しい日中関係の時代が到来したと悪く思い込んでいただけであって、実際の中国は変わっていなかった。今回の日中交流もスムーズにいきました。
大下:しかし、尖閣諸島の領土問題、歴史問題などで中国に対する日本の世論は相当悪化してます。
二階:では、日本は中国との関係がなくてもいいのですか。中国にしても日本がなくていいのか。そう問いかけてみれば、答えはおのずから簡単なことです。友好を諦めて、戦争をしましょうとなったら、誰が迷惑をするんですか。国民ですよ。今、日本は戦争をする態勢、そういう軍備の態勢になっていないでしょう。自衛隊は日々、訓練して頑張っていますが、大きな軍隊を持っている米国、中国と対決することができますか?