顔を覆い隠す頭巾をかぶり忍者装束になると息苦しい。右に左に木刀を振っていると息がハアハアと切れてきた。一緒に体験していたカナダ人男性のテリーさん(46)は手裏剣を大暴投。うまく的に突き刺さると、手裏剣と一緒に記念撮影をパチリ。

「『七人の侍』を見て忍者にのめり込みました。今日学んだ和の精神を大切にしていきたい」(テリーさん)

 忍者なんて出てたっけ?

「盆栽教室」も脚光を浴びる。世界的に有名な盆栽家・小林國雄氏が運営する「春花園BONSAI美術館」(東京都江戸川区)には、年間7千人以上の外国人が訪れる。

 アメリカ人のレイチェルさん(22歳、女性)は先生のサポートを受け小さくも力強い盆栽を完成させた。

「まだ知らない日本を体験してみたかった。何だか心が落ち着きました」

 と満足そうな笑顔を浮かべ、その盆栽をお土産に持ち帰っていった。日本の文化はこうして外国人に引き継がれていくのだった。

週刊朝日 2015年5月8-15日号

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